2008年12月12日

七瀬ふたたび

原作も読んでいますし、昔の少年ドラマシリーズ版も(きちんと、ではなくときどきでしたが)見ていたので、今回のNHKの新作も一通り見てみました。
この手のドラマは、基本的には好きなほうです。

ただ、最近は、超能力、特に物理法則に反するようなものについては懐疑的(むしろ否定的)なので、昔に比べると、それほどドラマの世界に入り込めませんでした。
あるかないかわからない(ない可能性が高い)ものを前提に、人間の可能性とかを説かれてもなぁ、という感じで。
それでも、ストーリーに織り込まれたさまざまな謎に引っ張られて、とうとう最後まで見てしまいました。

今回のドラマでは、七瀬の職業とか、父親や親友の存在とか、父親と敵対組織との関係とか、いろいろと原作とは違うアレンジが加えられている一方で、原作をなぞるようなエピソードも随所に盛り込まれています。
その織り込み方が、どうだ、うまいだろう、と胸を張られているような印象を受けましたが、ここまで設定を変えるのなら、エピソードも原作にこだわる必要はなかったような気もします。

特に、このドラマのストーリーの流れからすると、最後を原作と同様の悲劇的な結末にする必要があったのかな、と。
最後に明かされる、超能力者(劇中の言葉では「未知能力者」)が現代に登場した理由、についても、それほど説得力は感じませんでしたし。
超能力者とはいえ特に反抗する様子もなさそうな相手を、特別に組織されたわけでもなさそうな普通の警察官(しかも超能力を使って子どもを助けるところを見ている)が問答無用で射殺、というのも、現代のドラマでやるのはさすがに無理があります。
組織やジャーナリストはその後どうなった?とか、そもそもあのジャーナリストは本当に味方だったのか?とか、いろいろと消化不良感も残りました。

また、気になったのが、特に後半、七瀬がテレパスであるという印象をほとんど持てなかったことです。
つつしみ深い性格のためか、人の心を覗き見るような行為はできるだけ抑えているようで、このとき相手の心を読んでいればこんなことにはならなかったのに、という展開が何度もありました(そのくせ、あまり必要のなさそうなところで善意の相手の心の声が聞こえてきたりするのですが)。
まあ、そのためにさまざまなドラマが繰り広げられていくわけですが、あまりにも能力が役立たずなので、「本当にテレパスなの?」という印象を持ってしまったことも確かです。

基本的に今回のドラマでは、原作版よりも、テレパシーで読み取られる人の感情にリアリティを感じた(妙にどろどろしていなくて、いい人もいれば悪い人もいる)のですが、上記の点に関してだけは、あまりつつしみがなかった(笑)原作版の七瀬のほうが、“ぶれ”というか、違和感や不自然さを感じなかった気がします。
posted by 土屋和人 at 08:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 何でもレビュー
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