
上の例では、単にA1:A10のセル範囲に入力されている値の最頻値ではなく、その範囲の各セルの値に1を加えた数値のグループの中での最頻値を求めています。
A1:A10のセル範囲の中で一番多く登場するのは「1」ですから、それに1を加えた「2」というのは正しい答えです。
では、MODE関数をMAX関数に変えた場合はどうでしょう?

A1:A10のセル範囲の各セルの値に1を加えた数値のグループの中での最大値は「5」のはずですから、この結果は正しくありません。
こういう数式の書き方をした場合、「A1:A10」というセル範囲が指定されていても、実際に参照されるのは、数式が入力されたセルと同じ行にあるA2セルの値だけです。
したがって、そのセルの値に1を加えた「4」が答えとして表示されています。
この数式はまだ対象のセル範囲のセルと同じ行にあるため、こういう形で計算が行われ、エラーにもなっていませんが、たとえばC11セルなどに同じ数式を入力すると、#VALUE!エラーになってしまいます。
上でいうところの「値のグループ」とは、つまり配列です。
上記のMAXを使った数式で、A1:A10のセル範囲の各セルの値に1を加えた数値の配列の中での最大値を求めたい場合は、単にEnterするのではなく、Ctrl+Shift+Enterで、配列数式として確定する必要があります。
このあたりのことは、私のWebサイトのこのページで説明しています。
SUMやMAXも「配列を扱える関数」ですが、その対応の度合いはいわばレベル1といったところです。
MODEは、SUMPRODUCTなどと同じく、いわばレベル2の配列対応関数というわけです。
その機能や数式内での使い方において、SUMやMAX、AVERAGEなどと同じように考えてしまいがちなMODE関数ですが、こうした違いは意識しておいたほうがいいかもしれません。